私の嫌いな10の言葉
中島義道著 「私の嫌いな10の言葉」
嫌いな言葉...たくさんある...「こだわりの」、「癒される」、「目からウロコ」...etc...でも、よくよく考えてみると、その言葉自体に罪はなく、その言葉の裏にある人の心根が嫌なのだ、と気づく。それが証拠に、同じ言葉を聞いても何とも思わないこともあるし、逆に言いたいことがよく伝わって良いな、と思うこともある。言葉は単なる記号で、意味をこめるのは人間なのだから当たり前と言えば当たり前だ。
心根が嫌、と書いたが、では、どんな心根が嫌なのか。それは、他人の話や世の中で起きている現象を、とにかく自分にとっての既知のパターンに押し込めようとするような心根、である。自分にとって興味のないこと、自分のできそうもないことを懸命にやっている人を見ると、何でも「こだわってる」で済ませてしまうような....。
本書には、10の言葉が出てくるが、どれを見ても「真綿で首を絞める」というような表現が思い浮かぶ、善良なふりをして、いや、本人は自分が善良だと信じ切って、無責任に発する言葉の罪深さ...
「ひとりで生きているのではない」、「いつも誰かに助けてもらっている」と感謝すること、「必ず自分は誰かに迷惑をかけている」と覚悟すること、は大切だと思う。そして、逆に、そういう気持ちを持てば、「ひとりで生きてるんじゃないからな!」などという言葉を他人に対して安易に発することはできなくなるのではないか。そう感じた。そんなことを言えば、「俺はこんなに立派に生きているんだから、お前も同じようにしろ!」と強要していることになってしまう。
不思議なのは、全編、嫌だ、嫌だ、と言い続けている本なのにもかかわらず、読んでいる最中、読んだ後の気分は実に爽やかである、ということ。多分それは、「あきらめるべきこと」が明確になるからではないか、という気がする。あきらめていいかわからないから変に執着してイライラすることもあるが、「これはあきらめるしかないんだ」と悟ると爽やかな気分になる、そういうことかもしれない。
「すべての人間の感受性は同一」...なわけがない。
「石川啄木が家に来て...どんな美人になるだろう」...森茉莉さん...
好きなら好きと言えばいいのにねえ...
ひとりで生きてるんじゃないから苦しい...
「すなおに感動できる」は...確かに...
ははは。
「謝れ」と言うから謝ったら、「謝って済むか」と言われたりね...でも謝るけど...
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