ボブ・ディラン - 自由に生きる言葉
ボブ・ディラン著 夏目大訳 「自由に生きる言葉」
手前味噌シリーズ第4弾。
いつも思っているのだけれど、歌にはあんまり重いものはのせられない。重いと沈んでしまう。たとえば、「メッセージ」なんてのせてしまったら、沈んでしまって、もう聴けない。伝わる前にどこかに落っこちてしまう。聴き手には届かない。
届くのは、「音」だ。歌詞は言葉だけれど、やっぱり「音」。聞こえた音に、意味は聴き手が勝手につける。それも、音は一瞬で消えてしまうから、意味も一瞬で生まれて一瞬で消える。どんな意味だったのか、聴き終わった後では記憶も定かでない。でも、音と意味の織りなす世界が心地よいものだったら、その印象はいつまでも残り、「あーいい歌だった」と思える。
本書を訳す作業をして、何より嬉しかったのは、おそらく一番、歌にメッセージをのせていそうな人、ボブ・ディランが、別にそんなことは考えていないと確信が持てたことだ。だからこそ、逆に、聴く側はその歌に深い意味を与えることができるのだろう。悲しい時に「悲しい」というだけなら、誰にでもできる。でも、聴き手も同じように悲しい気持ちにさせることは、誰にでもできることではない。
何をするにも、テクニックはとても、ほんとに大事。
世界を平和に...なんて歌は、間が抜けるよね...
この発言を「謙虚」と思ってはいけない、と思う。
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