« 斜陽 | トップページ | 気分はグルービー »

2009年4月 8日 (水)

ローマ人の物語 ローマは一日にして成らず

塩野七生著 「ローマ人の物語 ローマは一日にして成らず

Img_0004 テレビ局は自分で番組を作らないという。自動車メーカーは部品の多くを外注している。ゼネコンも、パソコンメーカーも同様。それで、実際に手を動かしてモノを作っている人たちは低収入にあえぎ、何もしない発注側は高給をもらっている...けしからん...そういう声が多く聞かれる。けれど、儲けるのが目的なら、自分で手を動かしてはいけないのだ。自分で何かを作る能力など、金を儲け、繁栄するためには特に必要なものではないし、時に邪魔なものである...。

歴史が証明している。ローマ帝国。塩野氏が書いているとおり、ローマ人は「知力ではギリシア人に劣り、体力では、ケルトやゲルマンの人々に劣り、技術力ではエトルリア人に劣り、経済力ではカルタゴ人に劣る」、そう自ら認めていた。それなのに、他に類を見ない繁栄をした。本当は「それなのに」ではなく「それだから」である。

人間はそれぞれ得意技を持っている。でも、すべてが勝っている人、というのはいない。皆、弱点がある。第一、「得意」とは言っても、上には上があり、一番になるのは極めて難しい。得意技を活かして生きていくのは一つの方法だが、どうしても限界がある。弱点をつかれたり、強力なライバルがいたりすれば、すぐに立場が危うくなるからだ。

それならば初めから、得意技を持とうとか、活かそうとか、考えなければどうか...あらゆることを人に任せてしまうのである。この仕事はAさん、この仕事はBさん、というように一番得意な人に任せれば、一番良い結果が得られる。自分は何もせず、その果実の一番美味しいところを受け取り、残ったものをAさんやBさんに渡す...そんなことが可能ならば、とてつもない成功が手に入る...

考えてみたら、大成功した国とか企業ってそんなのばっかりのような気がする...それをいくら知っても、そんなふうに生きたいとはまったく思わないな...どうも、生まれつき、「誰かに利用される側」の人間らしい。損なのかもしれないけれど、それでたくさんだ。

Img_0005 「なぜ、ローマ人だけが」。

Img_0006

塩は貨幣。

Img_0007

ロムルス。

にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ

ブログランキングに参加中!もし、できましたら、上のボタンを1日1クリックしていただけると嬉しいです。

姉妹ブログ「横浜翻訳生活」もよろしくお願いします。

|

« 斜陽 | トップページ | 気分はグルービー »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

コメント

いきなりテレビ局の話だったので、ローマとのギャップに「おや?」と惹かれたんですが、いや~、おもしろい視点で楽しませてもらいました。

投稿: ありけん | 2009年4月 9日 (木) 19時08分

ありがとうございます。
(^0^)/

そう言ってもらえると張り合いがありますねえ...。
(^^)

投稿: Dai | 2009年4月 9日 (木) 23時28分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 斜陽 | トップページ | 気分はグルービー »