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2009年5月18日 (月)

大人は愉しい

内田樹著 鈴木晶著 「大人は愉しい

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人間にとって最も厄介な感情、それは「他人を自分と同化したい」という感情だろう。「世の中、間違ってる」「世も末だね」などの発言は、実は「あいつ、自分と違う」「気に食わねえ...何で俺と同じじゃないんだ」という言葉をかっこよく言い換えただけである。

だが、たまたま多くの人と同じような嗜好を共有する人は、そのことに気づかない。たとえば、今は、「地球環境に優しく」、そんな態度を支持する人が多い。でも、それが絶対善でない以上、正反対の態度を支持する人もどこかに必ずいる。そういう人を見て、「環境派」の人たちは、「こいつ、俺たちと違う、気に食わねえ...」と直感的に思う。ただ、その通りに口には出さない。「あなた、地球の未来をどう考えるんですか」と、極めて反論の難しい言葉で責め立てる。50年くらい前なら、もしかすると、非難されている彼らは「日本経済発展の担い手」として、拍手喝采をされたかもしれないのだ。そして、多数派だった彼らは、少数で「環境保護」を訴える人々の声を「頑張って経済発展しなきゃ未来はないじゃないか。いつまでもこんな貧乏暮らし、いやだろう?」という極めてもっともらしい発言で抑え込んだかもしれない。

...どっちも絶対に正しいわけじゃないから、どっちもどっちだ...

せめて「気にくわねえ...」と思った時に、なぜ、彼らは自分と違うのか、落ち着いて考えられるようでありたいものだ。

賢い大人同士の対話...それが愉しいのは、自分に今までなかった視点が与えられることだ。たとえ即座には賛成しかねるようなことが書いてあっても、すぐに「気に食わねえ...」とムキにならず、賢い大人がなぜそういう結論に達するのか、それをじっくり考えると、非常に有意義な時間が過ごせる...

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「時代遅れ」...という言葉には大した意味はない...なぜ、あなたはそう盲目的に時代に流されるのか...まあ、結局は流されるんだけどね。

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全員に平等に同じ教育をすることにもメリット、デメリットはあるし、能力別などで差をつけることも同様。要は、どちらのメリットが好きで、どのデメリットが嫌いか、ということだけ。ちょっと何か気にくわないことが起きただけで、すぐに正反対に意見を変える人が一番うさんくさい。

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あるべき「男像」「女像」は人それぞれ。ちょっと自分の思い通りにならないからって、いい男がいない、いい女がいないっていうのはどうかね...あんたの思い通りの人は、いないわな。そりゃ。反対に、いないんだから、ほどほどで我慢しなさいって他人に強要するのは、もっと、どうかな...。

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